妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ 妊婦の献立記録
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こちらは自身の妊娠をきっかけに執筆したものであり、知識を身に付けるために記事として残しています。

あらゆる情報を調べ上げて正しいと感じたものを公開するよう心がけておりますが、管理栄養士などの専門的な資格は持っておりませんので、情報を鵜呑みにはされませぬようお願い申し上げます。

妊娠初期に摂取したい栄養素というタイトルで書き始めましたが、ちょうどこの記事を公開したのは妊娠初期もほぼ終わりの頃です。

もう後の祭りですが、一応調べましたのでまとめておきたいと思います。

ちなみに厚生労働省により、妊娠期の区分は初期(〜13週6日)、中期(14週0日〜27週6日)、後期(28週0日〜)と分けられています。

そもそも妊娠初期はつわりのピークが待っている時期ですので、栄養のあるものを食べたくても食べられない場合もあることでしょう。

ほとんどの方がつわりが大変な時は食べられるものを食べたい時に、とアドバイスされているため、栄養のことは二の次だったはずです。

かく言う私も少しですがつわりを経験したため、初期に必要な栄養素は最低限で回していました。

後ほど、つわりの状態や食べられたものなどを振り返ってみたいと思います。

 

妊娠初期に摂りたい栄養素

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

何事もバランスが大切だと言われていますが、妊娠初期ももちろん同じです。

その中でも意識して摂りたい栄養素をご紹介します。

特に大切な栄養素

・タンパク質
・葉酸
・鉄
・カルシウム
・ビタミンD
・食物繊維

母体と胎児が物質をやりとりするには胎盤と臍の緒が使われるイメージがありますが、胎盤が完成するまではどのように行われるのでしょうか。

胎盤は胎児にとって、フィルターのようなものになります。

母体から送られてくる有害なものや分子量の大きいものは、一部を除いて胎児に送られないようになるそうです。

そしてこの胎盤が完成するのは一般的に妊娠16週前後、いわゆる安定期と言われる時期になりますので、それ以前は母体の血液中の物質は全て胎児に届いているということになります。

初期は特に薬に注意するよう言われているのはこのためです。

ちなみにアルコールやカフェイン、タバコの有害物質は、血液はもちろん胎盤のフィルターも通過してしまうといわれているので、妊娠中は常に気をつけたいですね。

それではここから本題の栄養素です。

 

タンパク質

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

タンパク質は母体にはもちろん、胎児の血液や内臓、筋肉などを形成するのに必要な栄養素です。

また酵素やホルモン、免疫物質を合成するのもタンパク質になります。

タンパク質の摂取量は成人女性で1日あたり50g、厚生労働省によりますと妊娠初期におけるタンパク質の摂取量は妊娠前と比べて±0gとされています。(妊娠中期は+10g、妊娠後期は+25g)

タンパク質を多く含む食材

・肉類
・魚類
・卵
・大豆食品
・乳製品

タンパク質の摂取量が極端に少ないと低体重や発達に影響が出るという研究結果があり、極端に多いと低体重になりやすいという調査結果があります。(諸説あり)

必要な栄養素をバランスよく摂取することが一番大切です。

 

肉類

タンパク質の代表格です。

特に肉類には他の食材と比べて100gあたりに含まれているタンパク質の量が多いので、効率の良い食べ物だと言えるでしょう。

注意点としては妊娠中は免疫力が低下しているため、加熱不十分の肉類を摂取するとトキソプラズマ症に感染することがあります。

トキソプラズマは肉類や土の中などにいる単細胞の寄生虫で、健康な人が感染してもさほど影響はありませんが、妊婦が初めて感染すると胎児に感染したり流産・死産の原因となる場合があります。

食材は念入りに加熱をし、生肉を扱った包丁やまな板などはよく洗うようにしましょう。

 

魚類

魚はタンパク質のほかにDHA、カルシウム、鉄分、ビタミンDなどが含まれており、妊娠中だけでなく産後も積極的に摂取したい食材です。

また肉類に比べてカロリーが低くなる傾向があり、体重管理を考えた時にメインとして摂りやすい食材になるでしょう。

こちらも肉類同様、加熱不十分だとリステリア菌などに感染し食中毒を引き起こす恐れがあります。

また一部の魚には食物連鎖によって濃縮された水銀を体内に含んでいるものがあり、これを妊婦が過剰摂取すると胎児の発育に影響を与えるという研究結果があります。

水銀の他にもビタミンAも注意が必要で、これを過剰摂取すると胎児の形成に影響を与えることがあるそうです。

ビタミンAを多く含む魚類はうなぎ、肉類ではレバーなどが該当します。

ちなみににんじんなどの緑黄色野菜に含まれているβ-カロテンは、摂取されると体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、摂取量を意識する必要はないそうです。

魚料理を食べる際は注意する食材に該当するものがないか、よくリサーチする必要があります。

 

卵は良質なタンパク質とビタミンが豊富な食材だそうです。

卵自体は何ら問題はないのですが、殻にはサルモネラ菌が付着している場合があり、サルモネラ菌による食中毒になると流産の恐れがあるといわれています。

十分に加熱することで菌が死滅するため、一般的には妊娠中の生食は控えるべきという結論になっています。

殻が割れている卵でなければ大丈夫という意見もありますが、後悔のない選択をしたいものです。

 

大豆食品

低カロリー高タンパクの代表食材です。

納豆や豆腐、豆乳、味噌などが該当します。

これまで挙げた食材と比べると食べ方に制限があるわけではありませんが、摂取量による胎児への影響等が解明されておらず、通常の食生活での摂取量を上回る量を取ることは推奨されていません。

余談ですが大豆イソフラボンは女性ホルモンとに構造をしており、妊娠出産による抜け毛のトラブルには効果的だそうです。

 

乳製品

乳製品はタンパク質だけでなくカルシウムも摂取することができます。

牛乳であれば一日コップいっぱい程度の摂取が推奨されており、不足すると骨密度などに栄養を与えるといわれています。

そしてやはり過剰摂取も弊害があるため、妊娠前に摂取していた以上の量を無理に摂る必要はありません。

また少し注意したいのがチーズです。

チーズは大きく分けてナチュラルチーズとプロセスチーズがあり、控えるべきとされているのがナチュラリチーズになります。

ナチュラルチーズとは加熱処理されていないチーズのことで、リステリア菌に感染する恐れがあり、クリームチーズやモッツァレラチーズ、カマネールチーズなどが該当します。

しかし日本作られているチーズは加熱処理が義務付けられているため摂取可能なナチュラルチーズもありますが、海外から輸入されたナチュラルチーズはほんとんど加熱処理されていないため注意が必要です。

対してプロセスチーズは加熱処理されているチーズのことで、妊娠中にそのまま口にしても問題はないとされています。

チーズケーキなどを含むチーズ製品を購入する際は、製品裏面の『種類別』という欄でどちらのチーズに該当するかを確認し、ナチュラルチーズを食べる場合は調理工程で加熱するようにしましょう。

 

葉酸

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

葉酸はビタミンBの一種であり、摂取することで細胞分裂やDNA、タンパク質を合成したり、赤血球の材料となり貧血の予防に繋がります。

細胞の分裂には大きく関わるため、胎児にとって大変重要な成分です。

また脳や脊髄の発達異常である神経管閉鎖障害のリスクが下がるといわれているため、妊娠中だけでなく妊娠前から摂取するべきとされています。

葉酸の摂取量は成人女性で1日あたり240μg、妊娠初期における葉酸の摂取量は妊娠前と比べて+400μgとされています。(妊娠中期・後期は+240μg)

葉酸を多く含む食材の代表例

・枝豆
・ライチ
・うなぎ
・焼き海苔など

野菜や肉類などのように食品から摂取する葉酸は水溶性であったり、消化の過程で他の食品の影響を受けたりして、全てを利用できているわけではありません。

よって葉酸はサプリメントで適量を摂取して補うことも選択肢の一つとして挙げられています。

 

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

鉄分は妊娠中に限らず、人間にとって大変重要な要素です。

私たちの体をめぐる血液は赤血球・白血球・血小板・血漿で構成されていますが、この赤血球の成分であるヘモグロビンは身体中の細胞に酸素を届ける働きがあります。

そしてこのヘモグロビンを生成するのに必要なのが鉄分で、不足すると体に酸素が行き渡らなくなり貧血の原因となるのです。

また妊娠中は胎盤を通じて胎児の酸素を供給することで血液量が増え、また母体の栄養素は優先的に胎児に胎児に送られることもあり、通常より多くの鉄分が必要となり貧血になりやすくなっています。

鉄分の推奨摂取量は成人女性で1日あたり5.0mg〜10.5mg(月経の有無による)、厚生労働省によりますと妊娠初期における鉄分の摂取量は妊娠前と比べて+2.0mg〜2.5mgとされています。(妊娠中期・後期は+12.5mg〜15.0mg)

鉄分を多く含む食材

【ヘム鉄】
・赤身魚(加熱することで吸収率UP!マグロは水銀に注意)
・牛赤身肉
・煮干し
・レバー(ビタミンAを多く含むため注意)

【非ヘム鉄】
・小松菜
・納豆
・豆腐
・きくらげ

ヘム鉄は主に動物性の食品に多く含まれ、非ヘム鉄は野菜や大豆製品に多く含まれています。

体内への吸収率はヘム鉄の方が高いですが、非ヘム鉄もタンパク質やビタミンC、葉酸などと一緒に摂取すると吸収率を同程度まで上げることができるようです。

 

カルシウム

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

カルシウムは体内で一番多いミネラルで、そのほとんどは骨や歯に存在します。

日本人は全年代でカルシウム不足の傾向にありますが、妊娠中から授乳期までは胎児や新生児の骨を作るために使われるため、十分な量のカルシウムが必要です。

また妊娠時にはカルシウムの吸収率が上がるため、妊娠前よりも積極的に摂取することが推奨されています。

カルシウムの摂取量は成人女性で1日あたり650mg、厚生労働省によりますと妊娠初期におけるカルシウムの摂取量は妊娠前と比べて±0mgとされています。(妊娠中期・後期も±0mg)

カルシウムを多く含む食材の例

・牛乳
・プロセスチーズ
・ヨーグルト
・大豆食品
・小魚(干しエビ、ししゃもなど)

カルシウムが不足すると胎児に発育に影響を与えることはもちろん、母体の骨が脆くなったりイライラしやすくなるという研究結果が出ています。

 

ビタミンD

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

ビタミンDは前述したカルシウムの吸収を促進させ、骨の形成を助ける働きがあります。

また免疫力を高めたり、妊娠中であれば妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの予防につながるという研究結果もあるようです。

ビタミンDの摂取量は成人女性で1日あたり8.5μg、厚生労働省によりますと妊娠初期におけるビタミンDの摂取量は妊娠前と比べて±0μgとされています。(妊娠中期・後期も±0μg)

ビタミンDを多く含む食材

・魚類
・卵
・キノコなど

ビタミンDはカルシウムと合わせて摂取したい重要な栄養素ですが、野菜などからはほとんど摂取することができません。

しかし上記で挙げた食材のほかに、日光浴をすることでビタミンDを体内で生成することができます。

真夏は暑くてそれどころではありませんが、日陰で地面からの照り返しを浴びるだけでも十分効果が得られるので、ぜひ取り入れてみてください。

 

食物繊維

妊娠初期に摂りたい栄養素まとめ

食物繊維は人間の体では消化できないため直接血肉となるわけではありませんが、血糖値の上昇を抑えたり便秘解消に大きく貢献してくれています。

大きく分けると、食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類です。

不溶性食物繊維は胃腸で水分を吸収して膨らみ、便通を促進します。

水溶性食物繊維は大腸で分解・発酵されることによりビフィズス菌が増えるため整腸効果があったり、胃腸内を緩やかに移動するため食べ過ぎを防ぎ、血糖値の急激な上昇も抑えてくれます。

食物繊維の摂取量は成人女性で1日あたり18g以上、厚生労働省によりますと妊娠初期における食物繊維の摂取量は妊娠前と比べて±0gとされています。(妊娠中期・後期も±0g)

食物繊維を多く含む食材

【不溶性食物繊維】
・穀類
・豆類
・野菜
・キノコ類
・海藻類など

【水溶性食物繊維】
・こんにゃく
・芋類
・果物
・大麦など

妊娠中は女性ホルモンの影響で便秘がちになったり、また食生活の変化などにより妊娠糖尿病のリスクが高まります。

食物繊維を意識して体内環境の改善に繋げたいですね。

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まとめ

改めて調べてみると、妊娠の有無に関わらず私たち現代人が摂取するべき栄養素は、意識しないと不足してしまうことが分かりました。

お湯を注げば3分で食事が完成し、コンビニやスーパーに足を運べば出来合いが待っています。

もちろん中には栄養に配慮されているものも多くなってきましたが、自分に必要な栄養を摂取すると考えた時、やはり一番効率が良いのは自炊なのかもしれないですね。

せっかく便利な世の中で生活することができているわけですから、自炊とうまく活用し今後の食生活を楽しめたら良いと感じました。

・肉や魚は栄養豊富だけどビタミンAや水銀などに注意
・大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンに似ている
・葉酸は超初期から必要な栄養素であるため妊娠前から摂取
・妊娠するとカルシウムの吸収量が自動的に上がる
・ビタミンDは日光浴することでも生成できる
・食物繊維は全く吸収されないけど必要な栄養素

また妊娠中の栄養素について調べているときに、『特定の食材を摂取し過ぎると胎児がアレルギー体質になる』という噂を目にしましたが、こちらは科学的根拠のないでたらめでした。

一つの栄養素に偏ってはいけないし、複数の栄養素を同時に摂取することで吸収率が上がるものもあります。

そこまで神経質になることはないと思いますが、お腹の中で命を育てられることに感謝し、今後の食事は少し責任感を持って臨みたいです。

最後までご覧くださりありがとうございました。